人生で初めて胃カメラ(鼻から・鎮静剤なし)を受けました。せっかくの体験なので、ここでリアルな体験談をシェアしたいと思います。
はじめに
結論から言ってしまうと、私の場合、耐えられなかった訳じゃないけど、かなりつらかったです。
※後悔はしていないです。受けてよかったとは思っていますが、二度目はないです(笑)
【後日更新】この記事を書いたのは数年前のことです。その翌年鎮静剤ありの胃カメラを受けましたが天国でした!この件についてはまた今度記事にしたいと思います。
ですので、例えばこれから検査を受ける方で、「つらくなかった」という体験談を読んで安心したい方はこの記事を読まない方が良いかもしれません。
また、一口に胃カメラと言っても、検査機器の性能や麻酔の種類、医師の技術、個人の体質、千差万別です。同じ病院で同じ検査を受けても「つらくなかったよ~」と思う人もいるでしょうし、ここでは、あくまでも一個人の素人による体験談であることをご了承ください。私は医師ではないので、検査の効果やリスクについては医師にお尋ねください。
「鼻から胃カメラ(鎮静剤なし)」を受けることにした理由
会社の人間ドックで胃の検査を受けることになりました。胃に不調があった訳ではないです。むしろ健康すぎてお寿司20皿食べられるので、困っています。夫は私のことを「アイアンストマック」と呼んでいます。
胃の検査方法として、基本はバリウム検査でしたが、まずそうなバリウムを飲むのが嫌だったのと、そのあと下剤を飲んで出さなければいけないというのを聞き、下剤を飲むとお腹が痛くなるイメージがあったので敬遠しました。また、下剤できちんとバリウムを排出できないと問題を起こす可能性があるという点も怖かったです。(私の偏見も入っているので、そのあたりのリスクはご自身でご確認ください)
バリウム検査で問題が見つかった場合は結局胃カメラをすることになりますし、だったら最初から胃カメラを受けちゃえ!という気軽な気持ちでした。
なぜ鼻からの胃カメラにしたかというと、自宅からのアクセスが良い病院が鼻からの胃カメラ(鎮静剤なし)しかやっていなかったからです。上司や同僚の間では「鎮静剤ありで口から派」が多数を占めていますが(前フリ)、「みんなビビりすぎでは?私なら耐えられる」という謎の自信があり(バカ)、とりあえずチャレンジしてみることにしました。
検査の流れ
1.前処置
まず渡されたのが消泡剤と言われるドリンクです。半透明で150ml位の量がありました。これが私的には気持ち悪い味で、例えが悪いですが、鼻血が出たときに口にどろっと流れ込んでくるときの味に似ている気がしました。鼻血味にほんのりいちごの風味がついているイメージです。ポカリの味と表現されている方もいたので、このあたりの感想は個人差がありそうです。私は受け付けないタイプだったので、飲むときはかなりしかめっ面をしてしまいました。
次に、鼻通りをよくするスプレーをされます。この時点ではどちらの鼻に胃カメラを通すか分からないので、両方の鼻にスプレーされます。プシューという感じで、これは痛みはないです。
その後、麻酔薬を鼻に注入されます。これで喉と鼻に麻酔がかかります。薬液が喉に流れるので、それは飲んでくださいね~と言われます。看護師さんが「苦いですよ!」と予告してくださったので身構えていましたが、確かに結構苦いのと、ビリビリする感じがありますが、これは私は全然平気でした。
麻酔薬を入れると、のどがぼーっとして腫れてくるような感覚がありました。(実際には腫れているのではなくて麻酔が効いているのですが)息ができないような錯覚になるのですが、ちゃんと呼吸はできるので、慌てなくて大丈夫です。 この時の感覚は快適とはいえないもので、苦痛とまではいきませんが、違和感はかなりありました。
2.いよいよ胃カメラを挿入
鼻の穴が小さい方は入らないことがあるので注意!(特に女性)
左耳を下にして、横になります。自分の見える位置にもちゃんとモニターが設置されていて、胃カメラで撮影した映像がちゃんと見られるようになっています。
胃カメラはストロー(直径5~6mm)位の太さです。これは完全に私の勉強不足だったのですが、鼻に入れるものなのでてっきり直径3mm位かと思っていたのです。ところが思ったより太い!
こんなの入るの?という予感は的中しました。最初右の鼻から入れたのですが医師から「これはちょっと難しいかな~」と言われてしまい、左鼻にトライ。もしここで入らないと口からに変更になる(=地獄行き)という事前情報があったので、できるだけ鼻をふくらませて、入りますよアピールをしました。アピールが功を奏したのか?「あ!入ります!いけそうです~」と言われ、無事に管が入りました。
管を入れる前に、医師から「女性は入りづらいんだよね〜」という不吉な言葉を聞いたので、女性は鼻から管が入りにくい傾向にあるのだと思います。私の場合はなんとか入ったので良かったですが、女性の場合は管が通らない可能性もかなり高い(つまり口からに変更になる可能性が高い)ことを想定して胃カメラを受けた方が良いと思いました。今回気軽な気持ちで受けてしまいましたが、もし鼻から入らずに口からになってたら…と思うとぞっとしました。そんな一か八かのギャンブルを気軽に受けていたとは…!
「鼻から入れれば楽」ではありません!
途中に、鼻と喉を繋ぐ箇所で管が入りにくい所があったのですが、医師が「息吸ってね〜」と言うので言われた通りにするとなんとか入りました。
てっきり喉の部分を通過したら楽になると思っていたのですが…これが意外にも進めば進むほど気持ち悪くなりました。気持ち悪くなる喉の部分をほとんど通らないから鼻は楽だと聞いていたのに、話が違うぞ…!!
例えば、お腹に思いっきりグーパンチされると「おえっ」ってなるじゃないですか。あの気持ち悪さがずっと続くことを想像してみてください(実際にはそんな経験ないですが)。もしくは、吐きづわりを経験した方にしか通じないかもしれませんが、胃の内側からひっくりかえされるような、つわりの時の気持ち悪さを感じました。
一説によると空っぽの胃に管から空気を送り込まれるので、気持ち悪くなるそうです。
なんにせよ胃に管が入っている状態が自然ではありえないことなので、『生物としての私』が全力で拒否しています。『やめてくれー!』内心叫びました。
この、「胃に空気を送り込まれる感覚」というのがすごく気分が悪かったのですが、喉に麻酔がかかっているせいで、飲み込んだりえずいたりするとむせるらしく「絶対に飲み込まないで唾液は全て垂れ流してください」と言われてしまいます。確かに管が入った状態で飲み込もうとするのは本能的にも「やばい」とわかるので、気持ち悪くても耐えるしかありません。
唾液が飲み込めないせいなのか、鼻に異物を突っ込まれているせいなのか、どういう仕組みかは分かりませんが、唾液とともに涙が止まらなくなりました。耐えるのに必死なので、せっかくのモニターを見る余裕すらありません。自分の胃を見るチャンスなのに、悔しい…!でもなぜか「目はつぶらないで!」と医師から言われるので白目をむいていました。(目をつぶると意識があるか判別できないからでしょうか?)
看護師さん、医師の優しさに感謝
私が気持ち悪そうにしていたら医師は「辛いよね〜、頑張ってね〜」と言ってくれました。多分、胃が収縮したりするので気持ち悪いことを察しているのだと思うのですが、励ましてくれるのは嬉しかったです。看護師さんもずっと背中をさすってくれました。(ただ、私の場合はさすられて余計に気持ち悪くなりました笑)患者の気持ちに配慮したケアだなと思いました。医師が「今十二指腸の入り口を見ているよ〜」と、逐一状況を説明してくれたので、患者としてはとても安心できました。ただ、実際には「もう胃とかどうでもいいから早く終わらせてくれ!!!」という気持ちだったので、胃の観察どころではなかったです。
3.管を抜いた後
管を抜くと、鼻血がたくさん出てきたので、渡されたティッシュでしばらく鼻を抑えました。胃カメラの苦痛が終わったことがとにかく嬉しくて、鼻血はそんなに気になりませんでした。
すぐに、医師が撮影した胃の内部の写真を解説してくれました。私の場合は若干胃酸過多(食べ過ぎ?)で胃が荒れている部分はあったものの綺麗ですね、ということで一安心でした。検査中は地獄だったので胃のことはどうでもよくなっていましたが、こうして終わってみると冷静に自分の胃の写真を見ることができました。なるほどこんな風になっているのね~と、また一つ勉強になりました。
結局どうなの?鼻からの胃カメラ メリット・デメリット
結局のところ、メリット・デメリットを天秤にかけるしかありません。※あくまでも私個人の感想になります
●デメリット:苦しい、辛い、涙と唾液でメイクが崩れる、鼻が痛い、鼻血がしばらく止まらない、麻酔に違和感がある、そもそも管が鼻に入らない可能性がある
●メリット:検査後すぐに結果を教えてもらえる、待機時間が少なく検査が終わったらすぐに帰れる、鎮静剤による副作用がない、胃の様子がリアルタイムで見られる(余裕があれば)
◆鼻から胃カメラはこんな人におすすめ!:検査後すぐに帰宅したい人、検査後に車を運転する必要がある人、鎮静剤との相性が悪い人(効きすぎて気持ち悪くなる等)、鼻の穴が大きい人(男性)、お腹にグーパンされてもなんてことないぜという猛者
私自身は圧倒的にデメリットが大きいので鎮静剤派ですが、個人の体質や状況に合わせて最適な検査方法を受けるのが一番だと思います。同僚の中には、鎮静剤が効きすぎてしまい検査後めまいで動けなくなる人や、逆に効かなかったために検査中に目覚めた人もいました。こういった方にとっては鎮静剤なしの方がよいかもしれません。一回も受けたことがない状態だと体質は分からないかもしれないので難しい判断にはなりますが・・・。
くれぐれも、私のように「いけるだろう」と舐めることがないよう(そんなバカはいない)、まだ受けたことがない方の参考になれば幸いです。
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